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ぼくが教育について思うこと

「九九リレー」ではぐくめること

算数の九九は、どうしても暗記が必要になる。でもなかなか覚えられない子もいる。子どもが意欲をもって九九を覚えようとするにはどうすればいいのか随分考えたことがある。
僕が思いついたのは、「九九リレー」だ。
やり方は、簡単。
①6人くらいのグループを組む。
②グループで、1の段から9の段までを分担して唱える。
③よーいドンで、1の段から順にリレーして唱えていく。
④タイムが早いグループが勝利。
これだけだ。
でも、この活動をやろうとすると、グループ内に様々な解決すべきことが現れる。
想像できるだろうか。
例えば、誰がどの段を担当するのか。当然、得意な子と苦手な子がいるのだから、勝ちたいと思うと、分担を工夫する必要が出てくる。このとき、苦手な子がいて困っていたら、何とか工夫して支援することも大切であることを伝えておく。前もって。勝負になると、ときに子どもは残酷になるからだ。ここは教師の仕事だ。
あるクラスでは、1の段しか言えないAさんがいた。その子がいるグループは困った。リレーができないのだから。これを見て、僕は追加ルールを作った。苦手な人はノートに九九を書いて、それを読み上げても良いと。
このルールを踏まえ、そのグループでは、九九が苦手なAさんが1の段以外を読み上げられるように応援した。
本番では、Aさんがノートを見ながらではあるが、かなりの成績を収めた。
ここで、また教師の役割が出てくる。僕は、Aさんに言った「もう、ノートを見なくても言えちゃうかもね。」と。休み時間などを使って、Aさんと練習してみた。すると、3の段がすらすら言えるようになった。次は、ノートなしでのリレー挑戦である。みんなの前でノートなしで3の段を唱えたときのクラスの反応はすごかった。拍手喝采である。努力は認められるのだ。教師の仕事は、子どもの「伸び」を保障していくことだと実感した。しかもきめ細かく。
Aさんの頑張りはグループの子にとっても嬉しいことだった。Aさんへの賞賛の声がグループ内で自然に出た。
仲間同士を認め合うには、ちょっとした山を一緒に乗り越えること、それぞれが自分のできることを少しずつ増やしていくことが必要なのだ。
でも、教師はここで漫然としていてはいけない。「次は、今まで担当していない段を担当してみよう。」と投げかけた。Aさんでなくとも、不得意な段はある。みんなが真剣になる瞬間をつくる投げかけだ。Aさん以外の子にも、「伸び」を求めるのが教師の役割だろうと思う。
この「九九リレー」は奥が深いと思うがいかがだろうか。単調な暗記より、クラスを成長させる活動ではないかと思うがどうだろう。
by k1satok1 | 2012-02-14 23:43 | 教育
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